2006年公開の韓国映画「グエムル -漢江の怪物-」のレビューをネタバレ有りでご紹介。
おおまかなあらすじから、筆者の感想、良かったところ・悪かったところをわかりやすく解説。
この映画は「怪獣」「パニック」「ポン・ジュノ」「ソン・ガンホ」「パラサイト 半地下の家族」これらが好きな人におすすめです。
作品情報
2006/09/02公開、120分、韓国、パニック、怪獣
監督・脚本:ポン・ジュノ
製作:チョ・ヨンベ
キャスト:ソン・ガンホ、ピョン・ヒボン、パク・ヘイル、ペ・ドゥナ、コ・アソン、イ・ジェウン、イ・ドンホ
Amazonプライム、U-NEXT、Netflixで視聴可能
※本ページの情報は2020年2月時点のものです。 最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
あらすじ
ある日、漢江(ハンガン)に巨大な怪物『グエムル』が現れた。
グエムルは河沿いでくつろぐ人々を次々と襲い始め、周囲はパニック状態に。
そんな中、小さな売店を営むカンドゥ(ソン・ガンホ)の娘ヒョンソ(コ・アソン)も運悪く襲われてしまい、グエムルはヒョンソを口に咥えたまま水中へと姿を消した。
だがヒョンソは奇跡的に生きており、下水道から携帯電話でカンドゥに助けを呼びかける。
一方、政府は「グエムルは危険なウイルスを保有している」と宣言し、接触感染したカンドゥを病院に隔離しようとする。
カンドゥは父ヒボン、弟ナミル、妹ナムジュと共に病院から脱出を図り、ヒョンソが居る漢江の下水道へと足を進める。
レビュースコア(100点満点)
30点/100点
映画の感想
『パラサイト 半地下の家族』『母なる証明』を手掛けたポン・ジュノ監督による、韓国産【怪獣パニック】映画です。
面白いか・つまらないかの二択で言うなら、つまらなかったです。
間に挟まるコメディ要素が個人的にあまり笑えず、独特なノリに最後までついていけませんでした。
底辺の貧乏家族が主人公
雰囲気は『パラサイト 半地下の家族』に近く、小さな売店を営む貧乏一家に焦点を当てて物語は進んでいきます。
ちなみに主人公の家は【半地下】ではなく【コンテナ】でした。
くそ狭い上に家具が殆どなかったので、半地下よりこっちのほうが底辺な気がします。
アメリカへの批判・環境汚染など社会風刺的要素が大きい
冒頭で、欧米人の指示で大量のホルマリンを下水に流すシーンがあり、それが原因で怪物グエムルは生まれました。
これは2000年に韓国で実際に起きたニュースをモチーフにしたようで、監督自身が社会風刺性を認めています。
他にも、欧米人が「グエムルは危険なウイルスを保有している」と嘘の報告をしたり、米軍が『謎の気体』を街中に散布したりと、作中に出てくる悪者は全部アメリカ絡みでした。
韓国人が「ホルマリンを下水に流すなんて!」と欧米人相手に必死に抵抗しているのが痛烈で面白かったです。
不潔で不快なシーンが多い
環境汚染がテーマだからか、やたら汚いシーンが多かった印象。
個人的に不潔すぎて無理と感じたのは下記2箇所。
まずは病院内のシーン。
カンドゥ(ソン・ガンホ)が夜中に貝の缶詰を素手で食べ始める。
その後、背中をボリボリと掻きその手でまた貝をネチョネチョ触りまくる。
( ゚Д゚)
続いて、雨の日の信号待ちのシーン。
突如オッサンが激しい咳をし始める。
周囲には沢山人がいるのに何故かマスクを外し始め、目の前の水溜りに思いっきり痰を吐く。
その後タイミング良く車が通りすぎ、痰入りの汚い水が周囲の人にビシャッ!!
( ゚Д゚)
この他にも【鼻をほじるシーン】や【クチャクチャ音を立てながらご飯を食べるシーン】があり、かなり不快な気分になりました……
親父ヒボンの最期が悲惨
台詞はうろ覚えですが雰囲気は大体こんな感じ。
▼グエムルと対峙するシーン
カンドゥ「俺の銃あと一発だけ弾が残ってるぞ!これを使え親父!」
親父「おう、任せておけ!俺がなんとかするからお前らは逃げろ!」
カンドゥ「あれ、そういえば弾って元々何発だったっけ」
親父「息子よ…これ弾切れやん…」
グエムルに襲われ、親父は力尽きる
笑うべきなのか、悲しむべきなのか……( ゚Д゚)
それでは最後にこの映画の良かったところ、悪かったところを箇条書きで記載いたします。
評価まとめ
良かったところ
- 怪物初登場シーンの緊迫感
- 社会風刺を上手く取り入れている
- グエムルのCGが丁寧
悪かったところ
- 不潔なシーンが多い
- 主人公一家がポンコツすぎ
- 最後の炎のCGがショボい
アーチェリー銅メダリストである妹の役回りが地味すぎて。
最後グエムルにトドメ刺してドヤ顔してたけど、それまで全く役に立ってなかったよ……
以上、グエムル -漢江の怪物-のレビューでした。